本、映画、演劇、美術、テレビドラマにラジオといろんな文化に触れたい好奇心。 コカコーラ片手にぱーぱーお喋りしています。しばらくおつきあいのほど願ってまいります。

AM1:00-3:00

茅ヶ崎のゆとりがコカコーラ片手にラジオのような独り語り

観劇ノート「また点滅に戻るだけ」

 

どうもこんにちは。


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ダウ90000の本公演「また点滅に戻るだけ」を観てきました。

私もよく飽きずに彼らを追いかけている。

観れる配信はほとんど観て、舞台は本公演、単独ライヴは会場へおもむき、挙げ句にラジオとレギュラー番組、特番と全部観ている。

本当に追いかけすぎてる。

 

私が蓮見くんを見つけてから、彼は書くたびに必ず前作を越えてくる。

「ずっと正月」や「10000」そして、「夜衝2」をユーロライブで観たときに、これ以上の作品は出てこないだろう、と毎回思っている。それでもやっぱり「あの子の自転車vo.9」の最後の20分ネタを観たとき、越えちゃったよ、と驚愕してきた。

今回はもうさすがに越えないでしょ、と思っていたら、案の定、恐ろしい上がり幅で前作を越えてきた。

 

持ち味だった共感を武器としていたワードセンスは、さらに強化されていて、世代を越えたパワーワード化していた。カップヌードルミュージアムのくだりとか最高だった…

何よりも構成がすごかった。

前半のクスクス笑いのさざ波が、後半、うねりになって物語をひっくり返す。

ばらまいた笑いはもれなく回収されて、無駄なものが一切ない。どうやって書いてんの?と、もうわけが分からない。

 

作品の軸もよかった。

前に蓮見くんが「あちこちオードリー」に出演した際に、「『手放しに誉めてくる大人には気を付けろ』とメンバーに言っている」という旨のことを話していた。

芸能界で認知され、メディア出演も急激に増え、SNSでも話題に上がることが多くなった今のダウ90000から見た「芸能界」という世界はいびつなところも多い世界なんだろうと思う。

 

そんな芸能界をちょっと毒をもって笑いに変えて、しかも誰かのセリフではなく蓮見くんのセリフとして、かなりはっきりと言語化されていた。

現状のダウがかなり色濃く反映されていてよかった。

 

そして、メンバー全員の演技力が格段にあがっていた。

知名度が上がってきて、ドラマや他の公演への出演が増え、蓮見作品以外も演じるスキルがダウに還元されて、8人全体が圧倒的にパワーアップしている。

あの台詞量で、あの笑いの量をしっかり笑い待ちしているのに、一人一人の台詞がちゃんと聞こえる技量は圧巻だと思う。

キャラクターに関しても、完全な当て書きから、少しづつキャラクターが色付けされているような気もした。そのキャラクターをかなりの精度で演じきっていた。

前作では一人、スーツを着ることのなかった園田くんが、今作では、唯一スーツ役だったのは蓮見くんの遊びだったのだろうか。

 

最後に、この公演は蓮見くんの芯の強さを感じる舞台であったと思う。

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本多劇場という大きな舞台まで駆け上がり、人気とそれに伴うだけの実力を実感する一方、明らかな大人の力、お金の力を感じる。

「旅館じゃないんだから」では小道具として自費でUFOキャッチャーを購入していた彼ら。

二年後にはメンバーの顔を大きくプリントしたプリクラ機の大道具を作るまでになった。

 

しかし、今までとは違った規模のお金のかかったセットも、ただ立派な装飾のセットでは終わらない。

このプリクラ機だからこそ生まれた「自分製造機」というワード、そして、それが物語を大きく展開させる重要なワードになっている。

ちゃんと大人の、お金の力を作品を面白いものにするために使おうという信念のようなものが感じられて、やっぱり蓮見翔は芯が強いな、と思う。

これに少し関連して、製作サイドのミスでTシャツにプリントされなかった件をラジオで、もちろん笑いにしてだが、言い続けるのもすごいと思う。大人のミスに堂々と忖度なしに立ち向かえるところは彼らしいと思いながら、もちろん、買った。

 

ダウ90000が広く認知されるようになってから、方々のラジオパーソナリティが話をするようになってくれたので、回想ができて、これもいい。

これからまた配信を観て、一から楽しもうと思う。

 

では、こりゃまた失礼いたしました。