本、映画、演劇、美術、テレビドラマにラジオといろんな文化に触れたい好奇心。 コカコーラ片手にぱーぱーお喋りしています。しばらくおつきあいのほど願ってまいります。

AM1:00-3:00

茅ヶ崎のゆとりがコカコーラ片手にラジオのような独り語り

好きのウラハラ、ABCのダウ90000

 

どうもこんにちは。

 

好きであるというのはとても難しい。

 

いきなり何を言い出すのかと思うでしょうけど、これが昨日のABCお笑いグランプリを見終えた感想でした。

 

去年の秋頃に知って、それ以来、何度となくライブに足を運び、配信チケットを買って家のテレビで見ていたダウ90000。彼が初めて大きな賞レースの決勝に進んだことは本当に嬉しかった。

決勝での活躍も楽しみにしていました。

 

当日は仕事でリアルタイムでは観れなかったが、帰りの電車でわざわざAbemaをインストールして、齧り付くように見ていた。

藤沢で快速急行に乗ってしまうと、大和で各駅停車に乗り換えなくてはいけないので、乗り過ごしてもいいように、わざわざ一本電車を見送って藤沢から各駅停車に乗った。

駅からうちまでの自転車はもどかしいので、爆速で漕いだ。

 

ダウ90000のネタはユーロスペースで行われた単独ライブで二本目だった「独白」というネタだった。

中島さんの独白から始まり、付き合うのかどうかお互いが探りあっているような飯原さんとのやりとりが続く。

初めてユーロスペースでこのネタを観た時、このネタがどこに運ばれて、笑いになっていくのか想像がつかなかった。

 

大丈夫?ちゃんと笑いになるよね?

 

多分、この不安に似た緊張感を客席で共有していたと思う。彼らのネタに独白の手法を見たことがなかったせいもあるのかもしれない。

しかし、その刹那、中島さんの「私の好きな人は独白明けの判定が厳しい」というセリフで一気に客席が安心して笑いで湧いて、彼らへの信頼に満ちたと思う。

 

独白という演劇独特の不自然な手法を笑いにすることはよくある。しかし、このコントは独白をする側ではなく、されている側の対応を中心にしたネタだ。この着眼点はもう蓮見さんにしか書けない。

その後も初日に飛んだバイト先の先輩に会ったり、ゼミ生に会ったりしながら、いろんな人が独白をするが、常に突っ込まれるのはその独白を待っている側の飯原さんなのだ。

また後半出てくる忽那さんがめちゃくちゃいい。

この着眼点と展開はダウ90000初期(何を基準に区分分けしてるんだ)の傑作と言っていいと思う。

 

このネタで挑んだABCの決勝はBブロック敗退だった。

このコントの方向が定まって最初に笑い起こる中島さんの最初のセリフで反応はほとんどなかった。

ここがウケないと、このコントが面白がるところが伝わってないということだし、展開して行っても間伸びしただけに感じてしまうし、忽那さんの出オチ感が半端ない感じになってしまう。

それではこのコントの傑作ぶりが全然発揮されない。もどかしい。

 

しかし、その悔しさは何故か安心感でもあった。

大好きなダウ90000が結果が残せなくて、安心している自分がいるのだ。

これに似た経験をしたことがある。

昨年のKOCで空気階段が優勝した瞬間、ラフターナイトの頃から聞いていた空気階段の優勝を喜んだ、と同時に切なさを覚えたのだ。

好きな人たちの晴れ舞台に嬉しい以外の負の感情を抱いたのだ。

 

好きなはずなのに、その人たちが上手くいかないことに安心したり、逆に成功を面白く思わない私がいるのだ。

それでもダウ90000が好きか、空気階段が好きかと言われたら、迷うことなく、自信を持って、好きだと答える。

だって、好きなんだもの。ラジオだって毎週聞くし、ネタだって見る。

 

それにしても好きというのは難しい。

 

では、こりゃまた失礼いたしました。