本、映画、演劇、美術、テレビドラマにラジオといろんな文化に触れたい好奇心。茅ヶ崎の海辺からコカコーラ片手にぱーぱーお喋りしています。しばらくおつきあいのほど願ってまいります。

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茅ヶ崎のゆとりがコカコーラ片手にラジオのような独り語り

日曜劇場憂譚

 

どうもこんにちは。

 

今クールはどうにも、私好みのドラマが少なく、何本かをダラダラと観てはいるものの、これだ!という良作は無いような気がしてます。

 

そんな中でここ最近、気になっているのが、日曜劇場の作品が紋切り型の量産的になってしまっているという危惧です。

半沢直樹」を当てて以降、この枠で放送するドラマの作りや演出がどんどん凝り固まっていってしまっているような気がしてならないのです。

展開のどんでん返しがどんどん雑になっていやしないか、という危惧があるのです。

 

まぁ、一素人の私が危惧したところで、局にも制作陣にもスポンサーにも、なんら影響はないので、勝手に言ってろ的なところはあるでしょう。それに甘えていつも通り、勝手に言わせていただきます。

 

半沢直樹」がヒットした一番の要因は、スパイ映画さながらのギリギリのピンチとそれを切り抜けた爽快な安堵感という緊張と緩和に寄るものだったと思います。

そして、そのピンチを切り抜けるの決定的な要因が半沢直樹という人間の真っ直ぐな人間性だったように思います。

 

ピンチのシーンは本当にハラハラさせられる演出で、しかも半沢直樹という人間性が動かないと思っていた人を動かして、どんでん返しをみせる、非常に爽快なドラマでした。

 

この作品がヒットしてから、この日曜劇場の枠では、「半沢直樹」の原作者である池井戸潤作品を中心に、どんでん返しで勧善懲悪的爽快ドラマが圧倒的に増えたように思います。

2000年代のラインナップを見てみると、「パパと娘の7日間」(2007年7月クール)のような王道ホームコメディから「太陽の季節」(2002年7月クール)「砂の器」(2004年1月クール)「華麗なる一族」(2007年1月クール)のような文学作品のリメイク版、「JIN〜仁〜」(2009年10月クール)のように人気漫画を原作とするものまでそのバラエティは実に豊富でした。

 

しかし、2013年7月クールに「半沢直樹」が流行語にもなる大ヒットを収めると、2010年代後半は池井戸潤作品のオンパレードでした。

早くも翌年の4月クールに「ルーズウェルトゲーム」を、まるで主演を堺雅人さんから唐沢寿明さんに置き換えただけのようなキャスト・スタッフで放送。それからも2015年10月クールには「下町ロケット」、2017年10月クールには「陸王」がほぼ毎年のように制作されていきます。

池井戸作品の多用を問題視してるわけではありません。私はドラマがオリジナルでも原作でも、その作品の本質的な面白さに影響はないと考えています。

むしろ大切なのは展開を納得させる説得力のある脚本とそれを最大限効果的に魅せる演出、そして、その意図を汲んだ役者陣の演技、という三位一体が一番大切だと思っているのです。

原作に池井戸潤さんが多かろうが、黒岩勉さんのオリジナル脚本が多かろうが、そこはさほどの問題でもないのです。

 

そんなことよりも、私がいかがなものかと思うのは池井戸潤作品でどんでん返しに味を占めた製作陣が、とかくどんでん返しをしすぎではないかという点です。

 

それが一番顕著に出たのは2021年4月クールで放送された「ドラゴン桜シーズン2」です。

平出友梨奈さん演じる岩崎楓がバントミントン部のコーチ(イキウメの盛隆二さん)に嵌められている証拠を桜木が突きつけ、まさにどんで返しな展開で楓からの信頼を得るシーン。桜木が楓から信頼を得て、東大専科に参加するきっかけになった重要なエピソードです。しかし、嵌められたことを暴いたどんでん返しと東大専科に決めるのは話が違うような気がして、ここに説得力の脆さを感じました。

さらに後半、学園を売却するのうんたらという話の運びに。もう落ちこぼれが前を向いて懸命に東大を目指す物語はどこへやら。

ここでも味方の顔をしていた高原先生(及川光博さん)が実はスパイだった。そして、敵のような立ち振る舞いだった坂本(林遣都)らが桜木らについていたことで、学園売却派優勢からどんでん返しします。

 

前作のドラゴン桜と断絶を産んでしまった別作品のようでした。前作を期待していた視聴者にはかなりショックな続編だったのではないでしょうか。

 

ドラゴン桜」が一番顕著に現れていますが、日曜劇場がやたらとどんでん返しを多用するようになり、しかもそれが少々雑になってきているような気がするのです。

 

最初にどんでん返しがうまくいった「半沢直樹」は、理不尽さや上司の横暴さによって窮地に立たされた半沢直樹たちに視聴者が共感し、そのピンチにハラハラしたからこそ、そこを切り抜けた安堵感、爽快感があったわけです。

しかも、その展開に半沢直樹という人間味が伴っていた(ここでの堺雅人さんの演技は見事としかいようがありませんでした)ことにより、どんでん返しに説得力があったわけです。

しっかり緊張したから緩和が生まれるし、しかも緩和に展開するきっかけに人間味という説得力もあったから、あそこまでの爽快感もあったわけです。

 

しかし、最近のどんでん返しにはその丁寧な緊張状態と展開の説得力が粗雑に描かれているので、観ていても気持ちが入っていかないことが多くなりました。

 

今クールの日曜劇場「マイファミリー」もしかりです。

第2話で賀来賢人さん演じる三輪は警察側につくような動きを見せていました。そのおかげで物語は警察が目論む通りに進みます。しかし、実は三輪が主人公温人(二宮和也さん)側についていたという展開でどんでん返しを起こします。

これもかなり雑な印象を受けました。まず、三輪が警察側についている時の緊張感がないのです。それから、三輪が実は温人の側だったと展開するとこにも、温人に付く理由やついていた事を匂わせるような演出もなく、いきなりひっくり返されるので、説得力もないです。

 

観ているこちらとしては、いきなり存在しないちゃぶ台を訳もなくひっくり返された感じで、どう受け止めていいのか分からないのです。

ちゃんと丁寧にちゃぶ台の存在を示してもらい、怒りの感情というちゃぶ台をひっくり返す理由を明かしてもらうから、我々はその行為に納得できる訳です。

 

役者陣の作り出す空気感にすごく引き込まれだけに、説得力のない展開による興醒めが残念でなりません。

 

なんか今回は批判的なことをつらつらと打っちゃいましたが、ああこいつはドラマが好きなんだなと思ってください。その上で、素人が誰も読みもしないのに、こんなに文字数だけ重ねちゃってと思ってください。

好きなドラマだったらこの10倍の量書きますから、本当に。

 

何だかよくわかない嘆願で終わることにします。

 

では、こりゃまた失礼いたしました。