本、映画、演劇、美術、テレビドラマにラジオといろんな文化に触れたい好奇心。茅ヶ崎の海辺からコカコーラ片手にぱーぱーお喋りしています。しばらくおつきあいのほど願ってまいります。

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茅ヶ崎のゆとりがコカコーラ片手にラジオのような独り語り

2021年1月クールのドラマ、クドカン多め

 

どうもこんにちは。

 

家に帰ると、毎日タブレットTverを起動しては(アプリは起動でいいのか?)ドラマを観ている。

なんせ、今クールは面白いドラマが多い。それもそのはず、各局、顔を連ねる製作陣は名作を生んだ人たちばかりだ。

テレビのない我が家で、ドラマを見るにはTVerの見逃し配信しかない。しかし、それも一週間しか時間がない。

今クールのような面白いドラマが多いクールは、帰宅してから、忙しくてしょうがない。もう1ヶ月もこんな生活をしている。まだ、3ヶ月は続く生活だ。

 

金曜のTBS。

クドカン×長瀬智也×磯山晶×金子文紀という今まで名作しか生んでこなかった顔ぶれが手掛けた「俺の家の話」は第一話からワクワクが止まらなかった。

ヤクザと落語家、刑事と恋多き男、おばちゃんの井戸端会議と復讐という両極端の世界観を力づくのようで、ちゃんと説得力を持たせて重ね、破天荒な設定を成立させてきた「タイガー&ドラゴン」「うぬぼれ刑事」に「監獄のお姫様」

それに、今や伝説と言っていい平成を代表するドラマ「池袋ウエストゲートパーク」など、この四人が手掛けたドラマはどれも名作ばかり。

 

今作も「プロレス」と「能」という正反対の世界観を掛け合わせた設定がクドカンらしい。

なんで?とツッコミたくなるような状況を作っては、その状況を当たり前の前提として登場人物達が行き交う。別役実さんの世界観の根底と通じる部分を感じる。その状況をツッコんではいけない。そこはツッコまず、その状況で当たり前のように過ごしている登場人物達にツッコミが生まれる。

 

ロープに投げられている最中に俺の家の話についてのナレーションから始まる。早速「なんで?」から始まるクドカンらしい第一声に私はワクワクする。

能を介したせいで破綻状態の親子関係を25年の年を経て、介護を通じて修復しようとする物語だ。安定の役者陣によるキャスティングでクドカンの持ち味である会話劇としての楽しみはいかんなく発揮され、毎シーンごとが楽しくてしょうがない。

 

クドカン脚本の特徴の一つだと、私が勝手に思うものの一つに、主軸関係と副軸関係のメタ的なつながりというものがある。

随分と大仰な言い方をしたけど、早い話が、物語の軸となる登場人物の関係性と似たものが別の関係性に見られるのである。で、それが物語全体の展開に推進力を持たせいる、という話である。全く早くないけど。

今作でいえば、主軸関係として寿三郎(西田敏行)と寿一(長瀬智也)の親子関係に対して、メタ的な副軸関係として、寿一と秀生(羽村仁成)の関係が並行して描かれる。

 

物凄い余談だが、秀生役の羽村仁成くんは「じんせい」と読むのか「ひとなり」と読むのか、どちらか悩んでしまう。愛が欲しいわけではないけど。

 

この関係は過去作にも多く見つかる。

あまちゃん」ではアキ(当時、能年玲奈)と春子(小泉今日子)の主軸関係に対して、春子と夏(宮本信子)の副軸関係。

「タイガー&ドラゴン」の小虎(長瀬智也)とどん兵衛西田敏行)の師弟関係を主軸として、小虎と組長(笑福亭鶴瓶)の副軸関係にある師弟関係も描かれる。

 

他にもいくらも例はみられるが、クドカンの描くドラマの相関図には必ずと言っていいほど、このメタ的な関係が見られる。

 

それから、主人公たちがドラマを展開させていくのに理由がないことも一つの特徴だと思う。

クドカン作品の登場人物たちが面倒ごとに取り掛かることに頭で考えたような理由がないのだ。

マンハッタンラブストーリー」のマスターは常連客の話を盗み聞きし、彼らの恋路を手助けるために走り出す。刑事コロンボを模したコートを脱ぎ捨て、蝶ネクタイを投げ捨て、付け髭をひっぺがす。そこに理由はなく、ただ「ああー」と叫びだすだけなのだ。

池袋ウエストゲートパーク」の主人公マコトもそうだった。G-boysの面々が持ってくる厄介ごとをなんだかんだ断りながらも、最終的には「めんどくせぇ」の一言で解決に身を乗り出す。

「11人もいる」で神木隆之介さんが演じた長男一男もそうだ。家族のゴタゴタを解決するのに理由なんかない。ただ、「長男だから」という理由で、彼は学校も恋も犠牲にして、家族のために走っていた。

 

今作もそうだ。

自分が幼い頃、父親が自分にやってくれなかったことを介護を介して、父親にするという決意。この物語の主軸となる決意に理由なんかない。

そういうもんだからだよ

自分が人間国宝の長男として生まれて、観山家の宗家を継がなくてはいけない理由として、ずっと父親に言われていた呪いのような言葉だった。ここに寿一郎が介護を引き受け、宗家を継ぐことには、はっきりした理由はないのだ。

クドカン作品の登場人物たちが走りだすのにいちいち頭で考えるような理由はない。そんなものはいらないのだ。

 

と、ここまでいくつかクドカン作品について書きながら、今回はクドカンについてではなく、今クールのドラマについて書きたかったことを思い出したので、ここから描こうと思っていたことをざっと一言で話す。要するに、今作にもクドカンの過去作に見られる共通のクドカンの特徴がたくさん見つかって、第3話まで見ただけで、面白いな、ってことである。

乱暴にも程がある。面白いについて、どう面白いのか、何が面白いのか、言葉にするから意味があるのに、こんなにまとめて一言で片付けては書いてる意味がない。

 

同じくTBSの日曜日。

森下佳子×綾瀬はるかも過去に面白いドラマを生み出してきた名コンビだ。「天国と地獄」も入れ替わりという設定も刑事と犯罪者の立場逆転という設定も王道ではある。それでいうと、設定がどうこうではなく、誰と誰が入れ替わるのか、がドラマの持ち味になる。昔、サラリーマンの舘ひろしさんと女子高生の新垣結衣さんが入れ替わった「パパとムスメの7日間」というのがあった。舘ひろしさんが女子高生というのが印象的で面白かった。

それでいうと、今回の綾瀬はるかさんと高橋一生さんが入れ替わるというのは、とてもいい。高橋一生さんの冷たくサイコな目つきを綾瀬さんが再現する演技はゾクゾクする。一方、中身が女性という設定を演じる高橋さんも、オカマに見えるのではなく、中身が女性という設定の枠から外れていないところがすごい。ちょっと暑苦しい感じや溝端淳平さんを叱る様も違和感がなく、設定がすんなり入ってくる。

 

テレビ朝日の土曜日。

23時からは小芝風花さん主演の「モコミ」で、23時半からは生田斗真さん主演の「書けないッ‼︎」

「僕の彼女の生きる道」をはじめとする「生きる道」シリーズの橋部敦子さん脚本作品。全体的に静かでモノクロな印象の脚本に、落ち着いたキャスティング。その分だけ、ものと会話する演出や橋爪功さん演じるおじいちゃんが周りを振り回す場面が動的に映えている。

個人的に「俺の話は長い」の演技がとんでもなく大好きだった生田斗真さんと「龍馬伝」や「救命病棟24時」、それから刑事と検事の関係をコミカルに書いてめちゃくちゃ面白かった「ケイジとケンジ」の脚本家、福田靖さんによる脚本家をめぐるめぐる物語「書けないッ‼︎」も面白い。ドラマの制作現場を中心に、脚本家とその家族の奮闘を描いたもの。ドラマの制作現場というと、私はどうしても「最後から二番目の恋」のドラマプロデューサー千秋さん(小泉今日子)が振り回せれてるシーンを思い浮かべるのですが、今作はそのプロデューサーが振り回す役。これを演じる北村有起哉さんの強いものに巻かれて、フラフラしているいい加減っぷりがいい。その下で働く長井短さんの脱力感も好きだ。

 

日テレは水曜日。

ロンバケ」、「オレンジデイズ」恋愛ドラマのベテラン北川悦吏子さんが、菅野美穂さんと池辺美波さんとメインに書いた「うちの娘は彼氏が出来ない」もザ・お王道をいく楽しさがある。今のところ見せているトリッキーな展開のない物語も北川さんだと飽きがない。先の見えた展開が彼女の作品になると待ち遠しい展開に変わっているのだ。振られると分かっているからこそ、そのシーンが待ち遠しい。そして、予想していた通り、振られたのに、ちょっと切なくなる。それが彼女の脚本の魅力だと思う。

これを書いている現在の最新話でも、ゴンちゃん(北村一樹)にお見合いが時には、碧(菅野美穂)は振られる、それがこの回のクライマックスって予想がつくのに、廃校になる学校に忍び込んで、言い間違えちゃうシーンは分かっていたのに、少し、気持ちが動いてしまう。

 

あとはフジテレビの木曜日。

韓国ドラマのリメイク版「知っているワイフ」

日本版脚本は前出の橋部敦子さん。過去をやり直す系のタイムスリップドラマはいくつもあるが、この作品にはそこに生瀬勝久さんが謎めいて絡んでいて、先が気になる。過去の回想シーンで見せる広瀬アリスさんのド迫力の怒号シーンとタイムスリップ後の穏やかな笑顔とのギャップがすごい。私は主人公に感情移入できないし、だからと言って、他に共感を求められるような描写がされた人物も出てこない。それがこのドラマのいいところだと思う。過去を変えた主人公のわがままぶりには共感できないし、かと言って、夫婦にならない世界線で生きている美緒(広瀬アリス)にも共感の要素がない。そこから話を展開させて、感情を動かす恋愛ドラマは少ない。

 

テレ朝の木曜日。「最後から二番目の恋」で大好きになった岡田惠和さん脚本のドラマ「にじいろカルテ」やフジテレビの土曜日、「その女ジルバ」もなんだかんだ見ている。

 

テレビドラマはもう私の生活に欠かせないものになっている。もう数ヶ月ドラマの視聴期限に追われる生活が続くのだ。

なんかもっと主観と論理でもって、テレビドラマを体系立てて論じたり出来ないものだろうか。

ずっと考えている。

 

では、こりゃまた失礼いたしました。