本、映画、演劇、美術、テレビドラマにラジオといろんな文化に触れたい好奇心。 コカコーラ片手にぱーぱーお喋りしています。しばらくおつきあいのほど願ってまいります。

AM1:00-3:00

茅ヶ崎のゆとりがコカコーラ片手にラジオのような独り語り

弾丸0泊深夜バス旅 ー京都編ー第五部

 

どうもこんばんは。

 

振り返って記憶を残そうにも、もう1ヶ月以上昔のことになってしまった。こうなっては手帳のわずかなメモとたゆたう記憶、そして、かくなる上は想像力でもって穴を埋めるしかない。そうなってしまってはこれはもう創りものになってしまう。旅行記ではない。創り物ならば、途中でノーチラス号による天変地異が起きてもいいし、モリアーティ教授による完全犯罪に巻き込まれて、ホームズの鮮やかな推理の手助けをしたっていい、もしかしたら、隣を走る市街バスがいきなり形を変えて、二足歩行型のロボットになるやもしれない。想像力で埋める旅行記なら、それでもいいではないか、とも思ってしまう。

しかし、それにはそれで別な才能が必要になってしまうので、どうにも私には書けそうもない。仕方がないので、古くなった記憶をなんとか引っ張り出して書くつまらない旅行記で満足するほかなさそうのだ。読書の皆さんも、それでご勘弁いただきたい。

 

それから、もう一つ。

今飲んでる某チェーンカフェのコーヒーがすこぶる美味しくない。なんと香りのないコーヒーなことだろうか。

これでは筆が乗るかどうかわからない。いや、コーヒーが美味しくたって筆が乗ったことはないかもしれない。

 

前回がだいぶ昔になってしまったので、良ければここまでを読み返してから、続きをどうぞ。

弾丸0泊深夜バス旅 ー京都編ー 第一部 - AM1:00-3:00

弾丸0泊深夜バス旅 ー京都編ー 第二部 - AM1:00-3:00

弾丸0泊深夜バス旅ー京都編ー 第三部 - AM1:00-3:00

弾丸0泊深夜バス旅 ー京都編ー 第四部 - AM1:00-3:00

 

ただでさえ暑い京都の夏だ。

まして、長い坂を自転車で上がっていくなんて、生意気にも老いを感じずにはいられない。

時間はもう太陽が一番高いところに昇ろうという頃だ。暑さもひとしおな時間なわけである。目的地は清水寺

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お土産屋さんも閑散としていて、人もまばらな清水寺近辺。

ただ、日向が灼熱の坂を自転車で漕いで行く。降りるのはなんだか負けた気がするので、つまらない意地のためにヒラメ筋を酷使して、背中をぐっしょりと濡らす。

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坂の中腹の駐輪場に自転車を止めて、境内へ。

石畳の階段を上がって、仁王門をくぐる。その中から覗く三重塔。夏の生命力がみなぎる緑葉と建築物の朱のコントラスト。心なしか、そよぐ風の温度も湿度も灼熱の坂に比べて涼しげなものだ。

案内通りの順路で、豊かな緑の自然と歴史的建築物との融和の中を歩く。人工的な感じを思わせない境内の自然はいかにも日本の仏教感を感じさせる。

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そして、清水寺のシンボル、本堂。本尊は十一面千手観世音菩薩。その前には四天王、後ろに二十八部衆を従えている。

四天王というのは持国天増長天多聞天広目天による力強さが特徴の彫刻である。邪教から本尊を守ることを任務としている。たいていの寺院にあるのだが、ところや時代によって力強さや隆々とした肉体の違いがあり、比べるには面白い。

薄暗がりの中、古木と線香の香りが漂う中に凛として鎮座している仏像たち。写真や博物館の展覧会では感じられない、寺院でみることだけで感じる不思議な空気。千年以上昔に人の手によって掘られた繊細な彫刻からは、美術品としての圧倒的な美しさに、長い間人々の救いになった圧倒的な力も感じる。

広大な仏教の世界観に迷い込んだ時、本当に大切なのは、その世界が物理的に科学的根拠に基づいて存在するのかどうかではない。それがあると思うことで救われ、律せられる自分自身の在り方なのだと思う。宗教が古今東西を問わず、人々の苦しみの救いになったことは紛れもない事実なのだ。全てを化学式と数式にしてしまうことになんの意味もない。そうだ、と信じてそこに身を置いて心を鎮めることに浮かび上がる仏教美術の美しさと静かな力強さがある。そこに魅了されてから、寺院巡りが魅力的で仕方がない。

 

本堂から下って、音羽の滝の涼やかな水音を聞いて、はてなの茶碗を見て、阿弖流為の石碑を見て、お茶屋さんへ。

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木陰とコーラが心地よく合う。

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さて、寺院巡り、仏教美術の素晴らしさと再認識して、無理やり決行した弾丸0泊深夜バス旅の地を京都にして良かったと思いながら、観光客もまばらな坂を降りて、自転車にまたがり、まだまだ灼熱の勢いの衰えない京都の街に繰り出した。

 

どうしよう。

分量的にはここらで区切るのがちょうど良さそうである。

しかし、このあと四条河原に向かって老舗ジャズ喫茶に行き、鴨川沿いで遅めのランチをとって、東寺に向かう旅が続くのだ。

となると、この旅行記はあと2回くらいは続きそうなのだ。

皆さんが読むに堪えるだろうか。

 

と思うのだが、これを書く私の集中力が耐えれらないようなので、今回はここまで。

 

では、こりゃまた失礼いたしました。