弾丸0泊深夜バス旅 ー京都編ー 第四部
どうもこんばんは。
さて、今回も思いつきの無計画で断行した京都旅の続きです。長々と書き連ねて、もう4回目。何を勝手に連載してるんだ、とも思うが、初回のタイトルに思いっきり「第一部」と書いているところを見ると、どうも確信犯らしいからたちが悪い。
弾丸0泊深夜バス旅 ー京都編ー 第一部 - AM1:00-3:00
弾丸0泊深夜バス旅 ー京都編ー 第二部 - AM1:00-3:00
弾丸0泊深夜バス旅ー京都編ー 第三部 - AM1:00-3:00
続きものになりますので、ぜひ順番にお読みください。読後には、だからなんだという虚しさで満ち溢れることでしょう。
さて、朝食も済ました頃にもなると、到着時分にはまだ涼しげだった京都もすっかり夏の装いだ。
神奈川を上回る暑さと湿度。聞きしに勝る京都の夏。
1100円という1日乗りますには破格すぎるレンタル自転車を借りて、いざ旅を始める。
ちなみに、京都の観光地を回るバスと地下鉄の一日乗車券が900円。自転車はいくらか高いが、公共の交通機関だとダイヤの中で動かなければならないので、時間軸を外部に委譲せねばならない不自由が気にかかり、自転車での行動にすることに。
まずは、鴨川沿いに出て、清水寺を目指すことに。
水面に写る空が夏の暑さを和らげる…ように写真では見えるが、現実は異なり。
いくら自転車を走らせても、いくら風を切っても、不快の中を突き進むだけ。不快の先はまた不快。なんせ暑いのだ。どこまで行っても気温と日差しが離してくれない。
京都と言ったらやっぱり古の都のイメージがあるもんだが、五条通に出るとその車の多さに驚く。三車線を絶え間なく走り抜けていく車たち。なんだか、情緒ある旅を、なんて思っていたのに浸透し切った文明の色濃さに拍子抜けした。
しかし、考えてみると勝手なもんだと思う。
京都には京都の人の生活が当然あって、それは茅ヶ崎にある私の生活と変わらない訳だ。私は自分の生活にある程度の便利や快適さを求めている。ならば、京都の生活だってそれが求められているに違いない、という簡単なことを見失ってしまう愚かしい想像力の欠如。なぜ、京都の人間は観光客のために生活までかけなければならないのか、ちょっと考えればわかりそうなものである。
そんなことを考えながら、自転車は清水寺の手前、六波羅蜜寺へ。
ここも好きなお寺の一つ。お寺の建物や境内にはそんな思いれはないのだが、まず立地がいい。狭い住宅街の路地をうねらせながら進むと、住宅地の風景の一部に現れるのがこのお寺。生活と密着したようなこんなところに国宝があるなんざ、お釈迦さまでも気がつくまい。まあ、実際はお釈迦さまがそこにいるんだけど。
浄土宗を身分に関係なく、庶民にも広めた功績が現代でも結構有名。彼が「南無阿弥陀仏」と唱えると、その声の一文字一文字が小さな御仏になったという伝説を彼の口先が表現したもの。
ちなみに初めてこれを見た私は、おそらく小学生の社会の教科書でだったと思うが、スポ根野球まんがを思い出した。
そう、この一番左のやつ。そもそもこの漫画は全世代じゃないので、なんせこの漫画は1972年から81年連載だもの、一回も読んだことはないのだが、それでも絵面は知っていたのだろう、これを連想した。世代じゃない私だって連想するんだから、ドンピシャ世代はどうなのだろう。
あとは四天王像なども実に素晴らしい。四天王像はいろんなところにあるが、場所によって体つき、表情、さらには踏み付けている邪鬼の表情なんかまで全然違うので、見比べたりなんかするのも面白い。
で、また暑い住宅街を走らすことに。と思ったがどうにも暑くて仕方ないので、近くでコーヒーでも飲めないかしらとキョロキョロしてみる。
店先に瀬戸物を並べた古民家を発見。六波羅蜜寺からすぐのカフェ「sagan」
一息ついて、アイスコーヒーで喉を潤し、抹茶のマフィンを食べながら、お供の「明け方の若者たち」を紐解く。
中盤に差し掛かっている。主人公とその思い出の人との隠されていた秘密に急に胸が苦しくなる。衝撃的な思いを揺さぶられて、ページをめくる指に鈍痛が走るような気がする。一旦、本を置いて、窓の外、陽光に眩しい京都の住宅街に目をやるが、このページを読む前の景色には見えないかもしない。同じ景色は見れない気がした。アイスコーヒーの味も違わないか?これ以上主人公に感情を添わせると、思い出さなくていい私の記憶に繋がってしまいそうで、必死に彼を突き放す。
気持ちを楽しい一人旅に連れ帰る。
ちょっとのつもりの寄り道がかなりの濃い時間になってしまった。
私たちは、と勝手に読者も巻き込んでしまっているが、そろそろ清水寺に行きたい。が、しかし、今日のところはお時間がいっぱい。
さて、次回は本当に清水寺に着きます。あわよくば、お昼を食べています。
本当かよ?という声が聞こえなくもないですね。
では、こりゃまた失礼いたしました。