本、映画、演劇、美術、テレビドラマにラジオといろんな文化に触れたい好奇心。 コカコーラ片手にぱーぱーお喋りしています。しばらくおつきあいのほど願ってまいります。

AM1:00-3:00

茅ヶ崎のゆとりがコカコーラ片手にラジオのような独り語り

弾丸0泊深夜バス旅 ー京都編ー 第二部

 

どうもこんばんは。

今回も前回の続きの弾丸京都旅の旅行記です。

前回の読み返して驚いた。何がって、あれだけ書いてまだ深夜バスが出発したばかりだ。今日は京都には着くでしょう。お昼ご飯は…食べれたら食べたいね。

弾丸0泊深夜バス旅 ー京都編ー 第一部 - AM1:00-3:00

まだお読みで無い方は、こちらからどうぞ。

 

さて、深夜バスは出発した。

真っ暗な車内で、私の耳に流れるアルピーの会話。ウトウトし始める。

気がつくと、バスは海老名のSAにて小休憩。夜の空気を大きく吸うと、身体中に溜まった車内の空気が入れ替わって気持ちがいい。体が少し軽くなる。少しムッとする暑さと湿度が全身にまとわりつく。新しい土地に降り立ち、新しい空気を吸い込んで、新鮮な私を見つける。

ちょっと情緒的に書いてみたが、まだ新横浜から海老名までしか来ていない。先を急ごう。

 

再度バスが走り出す。火曜の深夜といえば、「爆笑問題カーボーイ」だ。今回は田中さんが、奥さんで、新型コロナに感染した山口もえさんの濃厚接触者として自粛中のため、太田さんとウエストランドの3人で始まる。いや、ウエストランドって誰だよって方が多いでしょう。その辺のイレギュラーな感じも日常からイレギュラーを求めた旅には持ってこいだ。

それでも、考えてみれば、この日は朝から働いているのだ。睡魔には勝てない。アイマスクの中でしっかり目を閉じて、意識はうつらうつらとしてくる。

 

次に意識が戻ったのは、ちょうどカーボーイのエンディングの時だった。海老名から2時間ほど走ったバスは森町のSAにて小休憩。

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財布とお供の本、カツセマサヒコ氏の「明け方の若者たち (幻冬舎単行本)」を持って外に出る。バスから一歩外へ出ると深まった夜の空気が肌をかすめる。海老名よりも密度が小さく軽い空気が、海老名よりも冷めていて、気持ちいい。

なんの意味があるのか、画面に映し出された自販機の抽出中のコーヒー中継を眺めながら、コーヒーが入るのを待つ。あの画面の動画は本当に毎回違うものなのだろうか。

入ったコーヒーをすでに店仕舞いを済ませたイートインのベンチに腰掛け、コーヒーを飲みながら、読書の続きを紐解く。今時の本は紐に結わわれていないだろう。

社会人となった主人公の仕事に対する希望が薄れてくる描写に共感する。その落胆こそが今、私をここに連れてきたのではないか。落胆したからこそ、私はここにきてしまったのだ。出発時間間際にバスに乗り込み、冷めかけたコーヒーを一気に飲み干す。コーヒーの刺激はアイマスクの下では意味もなく、すぐ眠りにつく。

 

次に目が覚めた時には、外がうっすらと白んでいた。バスは土山のSAに停車していた。

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特に疲れているでも、買い物があるわけでもないのだが、一応バスから降りておく。外のベンチで本の続きを読む。主人公とその彼女、それから友人が高円寺の明け方の空の下を歩いている場面。彼らと同じ空気を吸っているような気がしてくる。仕事に不満がありながら、それを共有して、笑い飛ばして、飲み明かす彼女と仲間がいる。きっと数年後に振り返れば、彼らにとって、とんでもなく眩しい時間じゃなかろうかと、少し羨ましく思いながら、ページをめくる。

 

もうバスが走り出しても、眠気は襲ってこない。だからといって、明かりをつけて本を読むわけにはいかない。周りは就寝中だ。

ラジコを起動して、TBSラジオを聴こうと思うも、再生しない。そうか、ここは関西。東京のラジオはエリア外なのだ。月額払っているので、エリアフリーで東京のラジオも聞けるには聞けるが、せっかくだからと適当な京都のご当地番組を聞いてみる。思ったよりも関西の言葉でないことにがっかりし、聞き流す。

 

京都駅に着いたらどうしよう。そういえば、今の今までこの後の予定を考えていなかった。予定を立ててみよう。

まずはお風呂だ、サウナだ。京都駅近くのサウナを検索する。それから、喫茶店をいくらか検索する。朝ご飯を決めて、巡る寺を決めよう。行きたい寺をピックアップする。

醍醐寺。一本木造りの十一面観音立像が見事で、私の大好きな仏像の一つだ。どうせなら、これは見たい。ただ、これは京都駅から少し遠い。今回は断念しよう。

浄瑠璃寺。これは九体の大日如来が鎮座している面白い寺院。なんで九体なのかってところが実に面白いのだが、ここでは割愛しよう。ここは京都駅から2時間近くかかる。これも今回は無理だなぁ…。

一旦、寺探しをやめて、ジャズ喫茶を調べてみる。さすがは京都だ。昔ながらの街並みに、モダンなジャズ文化がうまい具合浸透しているようで、私も聞いたことあるような老舗がいくつかある。

営業時間の都合の良いお店をピックアップし、その周りで寺院を調べてみる。そんなんで大体の移動経路の検討をつけておく。まぁ、こんなもの脱線すればするほど、後から振り返る充足感は大きかったりする。

 

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26日の6時過ぎ。バスはいよいよ今日の駅八条口に到着。

バスから降りるなり蒸し暑さに包まれる。太陽はすっかり1日を始め、京都の暑さを親切にも予告してくれる。バスの下から大型のキャリーを受け取ろうと列をなす人々。みんなこれから数泊して、京都を満喫するのだろう。13時間後にはとんぼ返りする私には関係ない大きさの荷物を求める人を尻目に、私はまっすぐ調べたサウナに向かう。ようやく京都に着いて旅の本題が始まる。

 

まだまだこの旅は続いていくのだが、一旦今日はこの辺で。

 

では、こりゃまた失礼いたしました。