映画「ボヘミアン・ラプソディ」と東京都美術館「ムンク展」 〜叫んだり、震えたり〜
どうもこんにちは。
ちょっと前に映画「ボヘミアン・ラプソディ」を観てきました。
まあ、これだけ方々で面白いと言われてるんだから面白いだろうとは思っていましたが、ありゃね、面白いじゃないよ。震えるよ。
私は音楽が好きで、音楽が持つ力は、っていい方するとかなり抽象的だけど、やっぱり他にはない凄みがあるし、ライブの臨場感といえば、得も言われぬものがある。そういう人間から見れば、ラストのライブシーンは心の底から震える。心も震えるし、足も震える。半分以上の時間、ずっと身体揺れてしまった。隣と余裕のあるちょっと値の張る席にしておいてよかった。
でも、音楽が身近にない人でもスクリーンでの臨場感、馴染みあるクイーンの楽曲で、楽しめることは間違いない。音楽だけでなく、フレディの作品や自身のセクシャリティに関するに対する葛藤、それによって少しづつ歪んでいく人間関係もしっかりドラマがあった。
フレディの元恋人で、ゲイだと告白した後も終生に友人として付き合ったメアリー役のルーシー・ボイントンさんがよかった。フレディがうぬぼれから迷走し、身もふたもない人間関係に囲まれ、内実的な孤独を抱えるふレディを救う雨のシーンの表情は最高だった。クイーンの復活のライブを袖で見守るメアリーがフレディの新恋人、ジム・ハッタンにもたれ掛かるシーンの笑顔。フレディのセクシャリティが受け入れられた象徴だった。
いい映画だった。音楽好きはもちろん、そうでない人にもおすすめ。
話は変わってまた先日。東京都美術館で開催中だった「ムンク展」に足を運んできました。
「叫び」がなによりも有名な画家ですが、実はこれは「生命のフリーズ」という連作の中の一部なんだかとか。他に「接吻」「吸血鬼」「マドンナ」などが並ぶ。
目に見えるものだけでない。心から湧くものがキャンバスには浮かび上がってくる。聞こえたのか、感じたのか、浮かんだのか。物理的な表現を凌駕した色彩感と力強さ。動けなくなる。
特に震えた作品は、「メランコリー」という作品。
うねる波打ち際を背景に、手を頬に当て肘つく男性の横顔。どこか見たことあると思ったら、太宰の写真だ。
キャンバスと写真いっぱいに伝わってくる表現者としての憂鬱と不安。
どこか重なる。
ぜひ、生で見てほしい。が会期が終わってしまっているので、憂いてもらうしかない。
なんだか全力で表現した人や作品に触れて、ああ、感化される。
では、こりゃまた失礼いたしました。