轍の茅ヶ崎、王子様の相模大野
どうもこんばんは。
昨日は母校の高校の吹奏楽部の定期演奏会で久しぶりの地元相模大野に。
厳密に言うと、私の実家の最寄りは小田急相模原駅なんで一つ隣なんだけど、よく自転車で遊びに行ってたから、まあ、地元と言って問題はないでしょうね。
相模大野はずいぶん久しぶりだけど、改札を抜けて、ホールに向かうエスカレーターの右手側から単調な3拍子で「いつか王子様が」が聞こえてくると、ああ、大野に帰って来たなと、思う。ビル・エヴェンスで聞いても込み上げない帰郷感が、たかだか3声くらいの機械音からだとズンと込み上げてくる。
エスカレーターを下ってホールに向かう途中には、2年くらいバイトしたドトールがあったり、その昔高嶋弟が撮影に来たんだとかって言う伊勢丹があったり、でも、所々に知らない見たこともないラーメン屋が出来ていたりすると、そこに元は何があったか考え込んでしまう。その時間の長さだけ相模大野の懐かしさが深い。
演奏会のあとは高校時代の同期たちと集まるのがお決まりになっている。
高校の時の、特に吹奏楽部の同期たちに私は強い誇りみたいのものがあるし、今でも大好きだし、高校を卒業してから6年経つ今でも定期演奏会後は必ずみんなで集まる時間が楽しくて仕方ない。
今はほとんどが働いてて、時間も自由じゃない社会人だけど、それでもやっぱりこの日だけは都合つけて集まってくれる。
何がそんなに楽しくて集まるのか。
きっと、会ったその瞬間から6年前の高校時代に帰れるところだと思う。
たまにあの頃が懐かしくて、焦がれて、堪らなくなって、どうしようない夜がある。
絶対に戻れないのに、戻りたくしょうがない夜。
戻れないのに、戻れてしまう夜がある。
定期演奏会の夜だ。もう舞台に立つ現役の高校生たちは一緒に音を交わらせることはおろか、会ったこともない子達だ。でも、現役たちの音楽を聞いて、直向きな音を聞いて、自分の青春と重ねて、あの頃に戻りたくなる。
で、その晩にみんなで集まる。
顔を合わせたら、エンジンを温めて久しぶりの距離感を詰めるための近況報告なんかしない。
いきなり6年前の距離感で全開のエンジンをかけて会話が始まる。
本当に一瞬であの頃に戻れる。絶対に戻れないのに。
帰りには一瞬で戻れた今日のことがすでにたまらなく懐かしくなると同時に、こんな仲間を持って、こんな青春の記憶を持ったことをすごく誇りに思う。
それは相対的にどうではなく、自分の中で絶対的に素晴らしいものだ。
そして、それを共感してくれる仲間が私だけでなく、他に22人もいる。喜ばしいことじゃないか。
楽しかった時間が終わって1人茅ヶ崎に帰ってくる。
ああ、茅ヶ崎に帰って来たなと、思う。
6年前の仲間たちとの誇りは変わらないけど、こうして少しづつ変わってるものもあるんだ。
では、こりゃまた失礼いたしました。