本、映画、演劇、美術、テレビドラマにラジオといろんな文化に触れたい好奇心。 コカコーラ片手にぱーぱーお喋りしています。しばらくおつきあいのほど願ってまいります。

AM1:00-3:00

茅ヶ崎のゆとりがコカコーラ片手にラジオのような独り語り

「今夜、ロマンス劇場で」

 

どうもこんにちは。

 

先週の金曜日、3月30日の最後の回に辻堂で「今夜、ロマンス劇場で」を観てきました。

まあ、よくあるラブロマンスなんだろうなと思いつつ、ドレス姿で白黒のモノトーンに映える綾瀬はるかさんが全盛期のオードリーヘップバーンそのものだったのに、そそられて劇場に。

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冒頭、白黒で映し出される劇中劇「お転婆娘と三獣士」は国産ミュージカル「狸御殿シリーズ」と重なりつつも、「オズの魔法使い」も彷彿とさせます。

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そんな「お転婆娘と三獣士」を小さな町の映画館「ロマンス座」の小さな映写室の小窓から覗く坂口健太郎さんは「ニューシネマパラダイス」のトトそのもの。客席に誰もいない劇場のスクリーンに投影されるお転婆娘と三獣士。

国産映画黄金期の1960年代、そんなロマンス座に雷が落ちるところから話は始まります。

 

なんて、まあ、あらすじは方々のサイトやブログ、ツイートでお読みになれるでしょうからここに書く必要もないでしょう。

 

この映画の特筆すべきことは、ったってこれも色んなところで言われてることでしょうが、映画の黄金期を彷彿とさせるそのオマージュシーンですね。

北村一輝さんが一人称を「オイラ」で劇中ミュージカルのナンバーは「嵐を呼ぶ男」の裕次郎です。

映画『今夜、ロマンス劇場で』本編映像<妖怪ダンス>【HD】2018年2月10日(土)公開 - YouTube

公衆電話のガラス越しに唇を重ねる2人は「また逢う日まで」の映画史に残る伝説的シーンだし、映画の中でテレビの勢いに押され、衰退していく映画そのものを書き出す手法は「雨に唄えば」を思い出させます。

この他にもきっと映画通の方はもっと映画愛に溢れ、映画への尊敬の尊敬の念に満ちたシーンにお気付きでしょうね。不勉強なもんで。私が見つけたのはこれくらいです。

 

あとは、映画の色彩感。綾瀬はるかさんが白黒という設定に退避させてか、とにかく画面中が色、色、色で埋め尽くされます。その鮮やかさの綺麗なこと。

 

そして、ラストのシーンはおざなりで紋切り型のラブストーリーが多いこのご時世になかなかないひねりが効いて、裏切られ、泣かされる結末でした。

ここでの石橋杏奈さんの今時の子感が現代と60年代を行き来する中でとっても効いてきます。

成し遂げられない愛を描いた代表作「カサブランカ」もこの作品の結末にとっても大切な役割を担っています。

 

映画愛に溢れた演出と、よく作られたストーリーと、色彩感に富んだ映像美ととてもよかったです。

映画ファンには真っ先に観ていただきたいですし、そこまで映画を観てきてない方もストーリーだけで十分ジーンと来る作品でした。

 

最後の最後に間に合って、スクリーンで観れて良かった。

 

では、こりゃまた失礼いたしました。